”麦藁手仕事の魅力” ~回転すること~

(2022年7月のメルマガより)
「ヒンメリ」はフィンランドの伝統的な装飾ですが、同じ形の装飾はバルト三国やベラルーシ、ポーランドなどヨーロッパ東部にも伝わっています。
バルト三国のリトアニアでは、この装飾を「ソダス」と呼んでいます。「庭」という意味です。フィンランドの「天」という意味に対して、なんだか身近に感じられますよね。
実際に、装飾もほんわかした雰囲気があります。幾何学的な立体だけではなく、鳥や星、夫婦像など、地上的な要素が麦わらで編まれ、使われています。
”ヒンメリ”はそんな風に各国で独自の改良が加えられていますが、共通していることがあります。
それは、「回転すればするほど幸福になる」と信じられていることです。
これってとても面白いなと思います。
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私は糸車で糸を紡ぐことも趣味としているのですが、ただ回転させるだけですごく癒しになっています。なんだか瞑想のよう(笑)
ある方にそれをお話したら、そのお知り合いの方も同じように糸車がお好きで、同じようにおっしゃっていたとのこと。
「まわる」というのは、一つの大事なことだなと思います。
実際、「ソダス」の形の意味を調べますと、正八面体の4つの角は、「春・夏・秋・冬」や
「朝・昼・夕・夜」などに関連付けられ、それらがぐるぐると回ることで、
人生が紡がれていくのだとされています。
また、私のベラルーシの先生は、「スパイダー」(ベラルーシでの呼び名)は「宇宙」を象徴しており、「グレートスピナー」(偉大な紡ぎ手)で、回転することで家の中の負のエネルギーを吸収するとおっしゃっています。
様々な国で、その「たくさん回転する=幸せ」というところが共通して語られるのも、
それがヒンメリの根本的に重要な要素だからだと思います。
ですので、よかったら、ヒンメリが回転する様子をゆったりした気持ちで眺めてみてくださいね。
とても、癒しになります(^^)