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”麦藁手仕事の魅力” ~穀物と幸福のつながり~


(2022年5月のメルマガより)

麦藁手仕事の魅力を語るにあたって、まず挙げなければと思うのは、穀物と人間との強い結びつきです。ヨーロッパではライ麦や小麦、日本などアジアでは稲が主食として長い間作られてきました。世界各国で、主食となる穀物は神事に用いられ、その藁は神聖なものとして扱われてきました。

例えば、ヨーロッパでは麦のストローの中には精霊が宿っていると信じられ、イギリスでは秋の収穫の最後の束でコーンドリーと呼ばれる人形を作って、冬の間の精霊の宿としていました。春になるとその人形を畑に戻し、精霊が畑に帰れるようにしたのです。精霊は五穀豊穣をもたらしてくれる大切な存在でした。

また、ヒンメリは太陽神の誕生を祝うフィンランドの冬至のお祭りに使われていました。フィンランドでは太陽の明暗が季節によって非常に大きな影響を持っており、”天”を表すヒンメリは回転すればするほど幸福をもたらすとされています。

日本ではどうでしょうか?稲わらは神社や神棚のしめ縄、お正月飾りなどの縁起物に今でも使われています。神様を大切にお迎えし、家内安全・商売繁盛・五穀豊穣などの幸せを願って飾られるものですね。(私はしめ縄がスパイラル・回転していることもとても興味深く思っています。)

このように、藁の手仕事は世界各国で幸せを願って作られてきたものです。

そのあたたかい思いが、素朴な藁という素材と一緒になって、美しさとあたたかみのある手仕事を受け継いできたのですね。

そういったことも思い起こしながら麦藁手仕事をすると、より作品への愛着が湧きますし、魅力が増しますよね(^^)

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